雪光風火
延喜式内 櫛田神社(富山県)の四季を描いたアルバム。ステンドグラスの大家:大伴二三彌氏のステンドグラス美術館が併設されている櫛田神社。ステンドグラスを通して見つめる櫛田神社の一年を音楽で表源。
組曲「雪光風火」 (中原達彦)
1.雪 〜櫛田のはじまり〜
2.光 〜恵みの陽〜
3.風 〜心そよぐ風鈴〜
4.火 〜烈火の禊ぎ〜
雪光風火(せっこうふうか) 〜ステンドグラスに映える神在杜(かみいますもり)
〜 1.雪 〜櫛田のはじまり〜 [純白のガラス]
射水の守として
櫛田の地に鎮座することを知らせる太鼓が鳴り響く
景行天皇の御代より続く祝詞を求めるように人々は鳥居をくぐり、
白銀のキャンバスにその年の願いを描きはじめる 合わせる手に輝きがふりそそぎ、
祈るように 渡り鳥も羽を休める。
そっと新たな物語がはじまる
2 . 光 〜 恵 み の 陽 〜 [黄金色のガラス]
やわらかな 光 を受け、生命が吹き出す。
待ちわびていた人の心のように躍動する。
咲き乱れる草花と競うように、
鳥たちはさえずりを重ね、
蝶が舞う。
大地からは 喜 びがあふれ、
雪解けの引き締まった水が滔々と流れる。
カタクリの花が杜に品格を与え、
邑には色布がたなびき、
社 はステンドグラスのように 輝 きはじめる。
3.風 〜心そよぐ風鈴〜 [碧・深緑のガラス]
櫛田を吹き抜ける風が風鈴の軽やかな音色を誘い、
庄川に跳ねる鮎が、
夏の 訪 れを知らせる。
力強い 緑 の木陰に、
人々は集い憩う。
満たされた水田を精霊たちが踊り、
稚児の笑顔が行き交い、
祓いの輪をくぐる。
銀の提灯が眩しく 輝 き、
杯 に さかさ杉を映す。
4.火 〜火祭り〜 [琥珀・烈火のガラス]
鰤起こしの、
地を裂くような 雷 とともに、
涼しげな虫の音が
杜を 芳 しい秋色に変える。
神輿を守る氏子たちは色とりどりの装束を身にまとい、
巡る邑や田畑の実りを確かめるようにじっくりと 進 む。
気に満ちた獅子と神輿は 炎 を駆け抜け全てを浄化する。
ほろほろと串田が白く染まりはじめるころ、
新 しい年の鼓動が聞こえてくる。