音旅演出家Ⓡ・大迫淳英が提唱する
旅の3要素水・空・光
私たちは、なぜ旅に惹かれるのでしょう。
その答えを、3つの要素からお話ししましょう。
生命を育む「水」。
世界をひらく「空」。
心を導く「光」。
5年間のラジオ放送を経て、たどりついた旅の3要素。
それは、景色を眺めるためだけのものではありません。
私たちの生命と、心と、旅そのものに深く関わっています。
旅はすべて「水」「空」「光」に集約されます。
水01 — WATER
恵みも、畏れも。
私たちは、水とともに生きる。
水は、私たちの生命維持に欠かせないものです。身体の多くを水が占め、生きるための食事にも、水は深く関わっています。稲も、小麦も、野菜も、水がなくては育ちません。
地球の表面の約7割を覆う海。その大きな水の存在が、地球を豊かな星にしています。
恵みを与え、時には刃となる。
私たちに恵みをもたらす水は、同時に、災いをもたらすこともあります。時には豪雨や洪水となり、暮らしを脅かします。
身体やものを洗い、きれいにしてくれる水。その同じ水が、洪水となって、あらゆるものを泥で覆ってしまうこともあるのです。
そして、水は姿を変えます。水蒸気に、霧に、雪に。形を変えながら、私たちの世界のいたるところに関わっています。
そして、優しくも厳しくもある存在です。
だからこそ、
私たちは「水」に惹かれます。
心を動かす景色の中に、水がある。
海の美しさ。渓谷の流れ。滝、湖、川。趣のある雨、雲、そして雪景色。
私たちが美しいと感じ、心を動かされる多くの景色には、水の存在があります。
旅の内容を大きく左右する天気にも、水が関わっています。私たちの「人生」と「旅」は、水に深く支えられているのです。
空02 — SKY
空を旅する。
そして、心を空にする。
「空」という言葉には、いくつもの広がりがあります。見上げる空。私たちを包む空気。旅をする空間。そして、心を「空(から)」にすること。
見上げる「空」
晴れた空、曇り空、雨を運ぶ空。旅がどのようなものになるかは、その日の空で決まります。違いは出ますが、それは全てあなたにとって最良の空。それも旅での出会いです。
生命を支える「空気」
空を満たす空気は、生命に不可欠なものです。飛行機の翼を支え、私たちを遠くへ運ぶのも、空気の力です。大きく呼吸をしリフレッシュする。健康の源であります。
私たちが旅する「空間」
「空」は、空間をも表します。私たちは、その空間を移動し、まだ見ぬ景色や人と出会うのです。音を伝えるのも、この空間あってこそです。
心を「空」にする
思い込みを手放し、心を空にすることで、多くのことを学びます。旅先で出会うものを、素直に受けとめるために。
心を「空」にする。
それは、旅の中で最も大切にしたい
心のポリシーです。
光03 — LIGHT
光を観る。
希望の光、魂の光を。
光は、私たちと宇宙をつなぎます。
水、空という、目の前に広がる世界。光は、その世界から宇宙へ、そして精神の世界へと、私たちの想いを導いてくれます。
「観光」は、
「光を観る」と書きます。
光を観るのです。
その光は、その土地のエネルギーであり、また、その地に根ざして輝く地域の人々でもあります。
そこに息づくすべての生命力、パワーが、その光には宿っています。
光がなければ、私たちは目の前のものを、目で捉えることができません。色、形、動き、すべて光が見せてくれます。
光があるからこそ、景色を見つめ、その美しさに出会うことができます。
そして、私が旅の中で見つめている光は、目に見える光だけではありません。
私たちを導いてくれる光。
それは、希望の光。
そして、魂の光なのです。
旅の3要素、水、空、光。
その3つが整うと、
美しく、煌めく景色が生まれます。
一方で、3つが荒れるときには、
生命の危険が訪れることもあります。
それぞれの要素が織りなすバランスの中で、
私たちは、自然のさまざまな表情を感じるのです。
そして、水、空、光は、
私たちの旅の「道しるべ」となります。
その3つの、扇の要が音なのです。
水、空、光。
その3つを結び、旅の感動へとつなぐもの。
それが、私の見つめる「音」なのです。